グラボ修理に挑戦!
第2次マイニングブーム到来から1年ほど経ちますが、定価(10万円)の3080がAmazonから売れていくのを指を咥えて眺めていた自分が悔しい技術箱です。
今回は壊れたビデオカードを修理することができたので紹介します。
動画
日本のコンテンツの多くではなぜかオーブンで焼いたりアイロンで加熱したりなど運任せな方法が紹介されていますが、私のコンテンツでは明確に原因を突き止め完全な形で修理する方法を紹介していきます。
まだ私自身知識不足ですが、精一杯勉強していこうと思います。
修理成功までの流れ
電源端子の抵抗値確認

PCIE 12V,PCIE 3.3V,独立電源12Vの抵抗値が正常かどうかをテスターで確認します。
起動確認
グラボをライザーカードでマザーボードに取り付け、症状を確認します。
今回の症状は以下の通りでした。
- ファンは回る(最高回転ではない)
- Qコード B2まで進む
- コアの発熱はある(通常通りの強い発熱)

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分解

上の画像のような工場で組み立てに使用されている産業用電動ドライバーがお勧めです。
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起動&各種電源電圧確認
通常NVIDIA製ビデオカードには、12V ,3.3V ,5V ,1.8V ,NV_VDD ,FB_VDD ,PEX_VDDの7個の電圧が存在します。このうち12V ,3.3Vはマザーボードと補助電源から供給されています。
それ以降の5V ,1.8V ,NV_VDD ,FB_VDD ,PEX_VDDはビデオカード内部のバックコンバーターにより生成されています。
これらには電源が有効になる順番が決められており、この順番を知ることがビデオカード修理において極めて需要です。順番は5V ➡︎1.8V ➡︎NV_VDD ➡︎FB_VDD / PEX_VDDの順です。

今回の場合FB_VDDが0Vとなっていました。
FB_VDD回路周辺を確認
12VやFETとGNDの間に短絡がないことから、MOSFETの故障である可能性は低いと判断し、フェーズコントローラー周辺を疑いました。
今回のビデオカードでは、FB_VDDのフェーズコントローラーに台湾Richtek Technology社製のRT8816Aが採用されています。
まずはフェーズコントローラーRT8816AのEN-Pin(イネーブルピン)とVCC-Pin(電源)が正常であることを確認します。

EN-Pinは正常でしたが、本来5VであるはずのVCC-Pinが0.59Vとなっています。
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フェーズコントローラー周辺を確認すると、ヒューズとして機能する2.2Ωのチップ抵抗器が焼けて黒くなっています。

抵抗を測定すると、約150Ωでした。

抵抗&コンデンサを交換

詳細を調べた結果、フェーズコントローラーRT8816Aのパスコン(緑で囲ったところ)が短絡して、ヒューズとして機能する2.2Ωの抵抗器が焼けて回路を保護していたようです。
2つの部品をヒートガンで交換しました。

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動作確認
無事正常に動作させることができました!修理成功です。

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